グレーなままで残していたい

前日の愉快な夜の代償にきっちり二日酔い気味、ということで朝寝坊。10時過ぎより活動を開始する。今日は近所の日本一うまいパン屋「トシ」さんが最近はじめたテイクアウト「ランチボックス」が待っているのだ。寝坊のせめてもの罪滅ぼしということで引き取り手を買って出て、やや痛む頭をシャワーで押さえこんだ後にパン屋へとむかう。いちど家を経由したのち、先日発見した洗足池近くの桜の丘陵でいただいた。最高にうまかったし、周囲もなんとも牧歌的な雰囲気で、とても平穏な休日じゃないかという気分になる。違うのはみんながただマスクをつけているだけで、実はもう病気なんてものは霧散してしまったんじゃないかとちらりと思う。少し散歩して、スーパーと王将(持ち帰り生餃子を購入)に寄って帰宅。

緊急事態宣言を5月末まで延長する方針を固める、といった報道に触れる。なんというかまあ、刻んでいくのな。お約束になった「観測気球」的な報道にややうんざりしながら、お昼時に感じたうっすらとした希望がすっと引いていくのを感じていた。

英語をなんとかやりきってから、晩御飯。焼き餃子とカツオのたたき。ちょうど初鰹のシーズン、目には青葉、ってやつです。カツオには生にんにくのスライス・すりおろし生姜・オニオンスライスをたんまりと盛ってどぼどぼと遠慮なくポン酢を注ぐ。もちろんビール(金麦)も忘れずに。よい。こんな事態だからこそ、一食あたりの満足度を高めることが本当に大切だなとしみじみ感じる。

そして22時半、待ってましたの美食探偵。よし、やっぱり面白い。今回の犯人は仲里依紗。キャストがいちいち豪勢である。武田真治がまだ出てきてくれたことに一番テンションが上がったかもしれない。普通に志田未来とセットでマリアチームなわけですね。まあまあグロ系なお話だったけれど、まだ大丈夫な範疇。それよりも、タワーマンションのごみ捨て場って、本当にあんな仕組みなのだろうか。よっぽどこちらの方がグロい仕掛けで震えた。子供の事故とかヤバそうなんですが、そのあたり一体どうなんだろう。調べればすぐ分かることだけど、なんというか調べたくない気持ちになる。そういう時がたまにある。グレーなままで残していたいような。

観終わって、関ジャムを途中から。両方大好きなんで、この放送時間をなんとかずらしてもらえないものだろうか。そして、安田君は一体どこまでいくのだろうか。ジャニーズ最強の教祖キャラ堂本剛の影が見える。飛び越えていく日も近いかもしれない。

就寝直前。上巻は一瞬で読んだのに、なぜか積ん読状態になっていた「サピエンス全史」の下巻を改めて読み進める。帝国主義は科学のパトロンであったと語る章。自らが無知であることに気付けたがゆえに、外界にあるまだ知らない土地・資源の発見を目指す動きが生まれ、征服に繋がっていったと。うーん。こと中国との対比であれば、自らを世界の中心と捉える中華思想ゆえに、中国は他国を自らの下と見なしてそのように振舞った(朝貢など)という点が「自らが無知であると気付けたか否か」という差異に繋がるのだろうか。ただどうにも、この時期に出来た帝国がかつてのモンゴル帝国オスマン帝国と何が違ったのか、という点がいまいち腑に落ちない。自国そのものを「拡大する」という考えのあり方が、資本主義と綺麗に結びついたという論の方がしっくりきそうな気がするがどうだろう。そんなふわりとした状態のまま読み進めて、あっけなく寝落ちした。変な夢を見ずに済んで良かった。