葛西臨海公園(7/16)

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 6時起床。積み残したタスクをサクッとこなし、出かける準備をする。8時半に家を出て、借りているN-BOXに乗り込んで葛西臨海公園へ。クルマの運転自体が本当に久しぶりで、それだけでもう楽しい。朝食は葛西駅ちかくにあるパン屋さんブーランジェリー・ジョーさんでパンを購入。11時の入園時刻までの間に公園をぶらぶらとして、見つけたベンチで食べることにした。きちんとしたメニュー名は忘れたけれど、海老カツのサンドとミルクフランスの2つ。ふんわりとしたロールパンの、じんわりとした甘さが素朴においしい。朝食を終えて少しぶらぶらすると、11時になったので水族園へ向かう。

 コロナの影響で水族園は事前予約制となっている。入園前の検温の実施は当然ながら、消毒用アルコールの設置、券売所の間引き運営、完全一方通行の導線設計など、色々と苦心の跡が窺われた。これがwithコロナ時代に求められる施設運営のあり方なのだろうけれど、当然ながらコストはかかってもリターンは決して増えないわけで。それでありながら、入園料はお値段据え置き大人ひとり700円。これで採算を取るのは土台無理ではないだろうか。「撤退戦」という言葉が脳裏をよぎる。とはいえ、いち消費者としては有難いのも正直なところ。
 

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まんなか右あたりの子はヒトを認識している

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真っ青な子の目が虚ろすぎてホラー風味に

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圧倒的主役感ながらどうにも不穏当な鳴き声

 ここまで人の少ない水族館に来た経験は、ちょっと最近の記憶にはない。確か小学生ぐらいの頃だったか、夏休みに親に連れて行ってもらった四国のどこかの水族館と同じような印象を覚えた。それは展示内容がどうという訳ではなく、空間に対して人が少ない感じから。まるで、どこかの鄙びた地方都市を訪れているように思う。そこは恐らく海辺の街。

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午後からは奇跡的に晴れた

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ディズニーランド、ディズニーシー、そしてトーキョーシーライフパーク

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水族園の奥には庭園空間と広大な芝生広場があった
 肝心の写真が上の芝生広場しかないのだけれども、水族園から出て順路通りに向かうと日本庭園のエリアがあって、そこがとても気持ちのよい空間だった。沼地展示ではタンチョウやコウノトリ、河川展示ではイワナやヤマメ。コウノトリの目がとにかく怖いのだ、と言って奥さんは早足で沼地展示を過ぎ去っていった。そんな彼女はコウノトリ空港のある地方出身である。
 

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観覧車より南側を望む

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葛西海浜公園「西なぎさ」より、海

 この日の天気予報は前日夜まで曇り時々雨。望外の好天に恵まれたので、午後もたっぷりと公園を楽しんだ。浮かれた気分で観覧車に乗り、そこから見えた浜辺のエリアまで足を延ばす。思いのほか近くて15分程度で辿り着いた。波辺では男性がウェットスーツに身を包み、何か作業に取り掛かっている。傍らにはマリンレジャーの会社と思しき社名の入った小さなバンが停められていて、このあたりでそんなサービスが成り立つのだろうか、と思う。全体的に人はまばらでそれぞれが思い思いに過ごしていた。幼稚園ぐらいの男の子が足をばじゃばじゃと鳴らしながら時折きゃっと声をあげ、父親がそれを近くで見守っている。若いカップルは波打ち際まで歩を進めて、波にあわせて濡れないギリギリのところを行ったり来たり。リードから自由になった犬は波打ち際を走り回っている。漂う牧歌的な雰囲気と潮の匂いをぐっと吸い込んで、しばらくの間ぼうっとした。油断すると、ここは東京都江戸川区だということを忘れそうになる。 

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 そろそろ帰ろうとなって帰路につくと、島から戻る橋の上で上裸の老人とすれ違った。そのあまりにも綺麗な小麦色の肌を見て、ああやっぱりどこか海辺の街に来たのだ、と強く思う。そんな訳でこれは海浜公園のある海辺の街、葛西市へのショートトリップの記録である。