天王寺ボーイ

8時半ごろ起床。朝食はチーズが切れていたのでバタートースト。朝の業務としてリモートワークに関するアンケートに答えるなど。通信の問題で、ほぼ終えていたところでリセットを食らい悶絶する。結局一度ローカルで書いたものを保存しないといけないのか。
昼食はロコモコ丼をいただく。この手のメニューが置いてあるカフェってご飯がおいしくないよね、という実に性格の悪いトークで盛り上がる。言うだけあって奥さんの料理はうまい。この手の軽口を許容できるラインが同じくらいである、ということは夫婦にとって割と重要なように思う。
大阪在住時代にたまに通っていたblackbird booksさんから、購入した本が届く。

blackbirdbooks.jp

恋しさが募り、大阪観光を特集した「IN/SECTS Vol. 12」をチョイス。昼食休憩にかこつけて1時間近く読んだ。土井さんのインタビュー記事がとても良い。大阪の食文化に関するお話。大阪の良かった部分が次第に京都に奪われてしまった、というくだりはリアルタイムで知らない世界だけれども、なんとなく肌で分かる。いまや上品な上方というイメージは全て京都が持っているもんな。今回本を購入したbbbさんとLVDBブックスさん、両名の日誌もすごく良かった。言及されていたが、やはりいまの混乱の中で日々の暮らしをしたためることには価値があるのだと思う。でも個人的にとかく最高だったのが、巻末近くにあった詩人の方が語られた僅か2行の「天王寺駅」評である。
 
「クソダサい都会というのを絵に描いたような風景が広がっていて最高です」
 
このパンチラインはもんの凄く正鵠を射ており(不慣れな慣用句を使うほどテンションが上がっている)住民やら企業やら自治体やらのしがらみの中で、とかく混沌とした成長を続けているあの街にじつに相応しい。そうなのだ、天王寺はとにかくダサいのだ。キタ/ミナミの2大繁華街は言わずもがな、京橋(グランシャトー!)のように割り切ることも出来ずに、日本一高いビルなんてものを作ってしまうそのセンス。なんなら新世界の方がよっぽど統一感があってクールである。
でも、天王寺は最高なんです。デカいビルも小奇麗なビルもそれなりの駅ビルも大規模なショッピングモールもきちんとしたレストランも場末の飲食店も昭和な喫茶店もお洒落なコーヒーショップも映画館(ボロいけど)もカラオケもTSUTAYAも大きなモンベルも、なんなら立派な公園も動物園も美術館もある。あとエモい路面電車。地元民が「大阪城やで」と言ってのけるラブホテル。なんでもあるんです。全体的にはダサくとも。そしてダサいことを厭わないがゆえに、天王寺は大阪で一番強くてタフな街なのだ。そんな風に思っている。あぁ、またいつか帰りたい大阪。
最後に余談をひとつ。ハルカスとキューズモールと駅をつなぐ歩道橋は上から見ると「a」の形をしている。このエリアを指す「あべの・天王寺」の頭文字です。ほらね。最高でしょう?